診療科・各部門紹介
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医療福祉相談室・がん相談支援センター

特徴

医療福祉相談室・がん相談支援センターでは、患者さんやご家族の病気やけがに伴う様々な心配事や不安・悩み等について相談を受け、それらをできるだけ軽減し、安心して治療に専念できるように支援をしています。平成17年からは地域がん診療連携拠点病院として、がん相談支援センターの業務も行っています。また、当院でこども虐待対策拠点病院、高齢者虐待連携病院に指定されており、患者さんの権利を擁護し、生活全体を視野に入れた支援を関係機関と連携を取りながら、行っています。医療ソーシャルワーカー(MSW)は12人が所属しており、病棟担当制をとり、緩和ケアチーム等の多職種によるチーム医療に参加しています。MSWは社会福祉系大学の専門教育を修了した後、社会福祉士や精神保健福祉士等の国家資格を取得しています。

業務内容

医療福祉相談室

  • 療養中の心理的・社会的問題の解決・調整援助
  • 退院援助
  • 社会復帰援助
  • 受診・受療援助
  • 経済的問題の解決・調整援助
  • 地域活動
    厚労省『医療ソーシャルワーカー業務指針』より

がん相談支援センター

  • がんの病態、標準的治療法等がん診療及びがんの予防・早期発見等に関する一般的な情報の提供
  • 診療機能、入院・外来の待ち時間及び医療従事者の専門とする分野・経歴など、地域の医療機関及び医療従事者に関する情報の収集、提供。
  • セカンドオピニオンの提示が可能な医師の紹介
  • がん患者の療養上の相談
  • 地域の医療機関及び医療従事者等におけるがん医療の連携協力体制の事例に関する情報の収集、提供。
  • アスベストによる肺がん及び中皮腫に関する医療相談
  • HTLV-1関連疾患であるATLに関する相談
  • その他相談支援に関すること(がん患者団体との連携・協力体制の構築、心の悩みや体験等を語り合うための場の設置)
  • がん患者の就労相談 ※詳細については下記PDFを参照ください。

よくある相談内容

  • 突然がんと言われて、何をどうしたらいいのかわからない。
  • どのように治療方法を決めたらいいのかわからない。
  • 手術、抗癌剤治療をすることになったけど、医療費が心配。
  • 仕事を続けられるか不安。
  • 病気について、周囲の人(職場、家族、友人など)にどのように話せばいいのかわからない。
  • つらい症状があって困っている。
  • 家族として、どのように本人に声をかけたらいいのかわからない。
  • 入院せず自宅で過ごしたいと思っているけど、どうしたらいいのかわらかない。
  • 子供に病気のことをどのように伝えたらいいかわからない。

(※診断や治療について判断するところではありませんのでご留意ください。)

実績

医療福祉相談室

  平成29年度 平成30年度 令和元年度 令和2年度 令和3年度
新規相談受付数 1621 1801 1985 3477 3438
相談延件数 13366 15973 18415 18464 17823

がん相談支援センター

  平成29年度 平成30年度 令和元年度 令和2年度 令和3年度
相談件数 1110 1056 1480 1670 1322

相談方法・利用時間

相談方法

直接お越しいただき相談を希望される方は、1階患者相談窓口でお声かけください。
また、病棟や外来の担当医師や看護師、その他の職員を通して御連絡していただいても結構です。
電話での御相談も承ります。
※相談予約が入っている場合もありますので、できる限り事前に御連絡をお願いします。
※相談料は無料です。
※相談内容の秘密は厳守します。

利用時間

月-金 9:00~17:00(土日・祝祭日・年末年始を除く)

お問い合わせ

098-884-5111 (内線127)
「医療福祉相談室・がん相談支援センターへ相談希望」とお伝えください。

医療福祉相談室・がん相談支援センターの歴史

当院の医療福祉相談は、医師・看護師・医事課職員等で対応していた時期が長く続いていました。
その後、平成元年3月1日付けで、医事課に初めて医療ソーシャルワーカー(以下、MSW)1人が配置されました。当時、公立一般病院に常勤MSWがいない中で、病院の機能として医療福祉相談業務を充実させることを表明したものとして画期的なことでした。以来、非常勤MSWの配置を増やし、常勤MSWは平成15年7月に1人、平成23年4月には2人採用し、少しずつ体制を整えてきました。平成20年5月には、医療福祉相談業務への理解に対して、日本医療社会事業協会から、院長へ感謝状が贈られています。
組織としては、平成16年に診療支援部に移行し、平成17年には地域がん診療連携拠点病院の指定要件である、がん相談支援センターが配置されたことにより、一般的な医療福祉相談とがん相談に対応しています。
MSW増員の要因には、①医療機関の機能分化が進み、介護支援専門員や地域の関係機関との連携が必要不可欠となり、入院早期から退院計画に沿った退院援助を行うことが重要になったこと。②社会的入院を含め、病院職員が対処に困る問題等を持つ患者さんへの支援の必要性が認識されるようになったこと。③医療保険料が払えない無保険者、ホームレス、若年未婚者の飛び込みお産、被虐待児やDV被害者等、世相を反映した様々な問題を抱える患者さんの受診も多く、病院は単に病気を治療するだけではなく、これらの患者さんへの対応を迫られている現実があること。等が挙げられます。
患者さんを生活者として捉え、早く家庭人・社会人として家庭復帰・社会復帰できるよう、患者さんの権利を擁護し、生活全体を視野に入れた支援が必要になっているといえます。
当院の機能の変化によりMSWに求められる業務内容が変わることもあると思いますが、今後も医療チームの一員として、患者さんやご家族の多様化するニーズに答え、QOLの向上に努めていきたいと思います。