診療科・各部門紹介
診療科・各部門紹介

診療科・各部門紹介

検査科

概要

検査科は救急医療に対応できるように365日24時間検査体制を整え、精度の高い検査結果を迅速に提供できるよう努めています。
外来採血は検査科全体で担っており、眼科外来、耳鼻科外来、健診センターへは検査科からスタッフを派遣しています。また必要に応じ外来、病棟、放射線科(透視室)へ赴いてベッドサイドで検査を行っています。
生理検査や採血など、患者様に接する業務においては安心して検査を受けていただくために、心の通った接遇を実践できるよう取り組んでいます。
各検査分野には、各種学会や関連団体から認定された専門の技師が多数在籍しており、当院の地域がん診療連携拠点病院、地域医療支援病院としての使命を果たすべく、患者様一人一人にあった高度な医療サービスの提供を目指しています。また、専門的技術のさらなる研鑽のため、学会や講習会、講演会にも積極的に参加し、最新の検査情報や技術の習得に努めています。
検査科は、今後とも当院の理念である「和と奉仕」に基づき、安心安全な質の高い医療の提供を通し地域医療に貢献して参ります。

検査科の理念

  • 迅速かつ正確な検査データを提供します
  • 検査業務の安全性の向上に努めます
  • 健全な検査科運営を目指します
  • 自己研鑽を心がけます

業務内容

検査科は、大きく生理検査部門と検体検査部門の二つに分かれています。
生理検査部門は患者様に直接接する検査で、心電図、運動負荷試験、呼吸機能、神経・筋電図、脳波、血圧脈波、超音波などの検査が含まれます。 検体検査部門は患者様から採取された検体(血液、尿、体腔液、細胞など)を扱う検査で、生化学・免疫血清、血液、輸血、一般、細菌、病理・細胞診などの検査が含まれます。

検査科スタッフ

医師 1名
臨床検査技師 34名(常勤32名、非常勤2名)
看護師 2名
視能訓練士 2名
事務員 2名

専門技師(認定資格)2022年8月現在

超音波検査士・消化器領域(日本超音波医学会)12名
超音波検査士・循環器領域(日本超音波医学会)7名
超音波検査士・体表臓器領域(日本超音波医学会)6名
超音波検査士・泌尿器領域(日本超音波医学会)2名
超音波検査士・血管領域(日本超音波医学会)2名
超音波検査士・産婦人科領域(日本超音波医学会)1名
血管診療技師(4学会構成による血管診療技師認定機構)1名
細胞検査士(日本臨床細胞学会)6名
認定病理検査技師(日本臨床衛生検査技師会)2名、
認定臨床微生物検査技師(7団体構成による認定臨床微生物検査技師制度協議会)3名
感染制御認定臨床微生物検査技師(7団体構成によるICMT制度協議会)3名
二級臨床検査士・微生物(日本臨床検査同学院)3名
インフェクションコントロールドクター(ICD)(19団体構成によるICD制度協議会)1名
認定一般検査技師(日本臨床衛生検査技師会)1名
認定血液検査技師(日本検査血液学会)1名
診療情報管理士(四病院団体協議会および医療研修推進財団)1名

検査科受付のご案内

受付時間(採血・検体検査・生理検査)

平日

採血・検体検査:8:00~17:15 (17:15以降は救急対応となります)
生理検査:8:30~17:15

土日祝祭日

24時間救急対応となります。

検査科(採血・検体検査・生理検査)の受付は1階です。

受付窓口

(24番)採血受付
(24番)採血受付
(25番)検体検査受付
(25番)検体検査受付
(26番)生理検査受付
(26番)生理検査受付

検査の流れ

各検査を受ける場合は、右図に記す手順で各科外来または病棟にて、医師の診察を受け、医師の依頼により、検査科の各検査を受けることができます。 検査結果は当日もしくは再診日までに医師に報告されます。
※検査結果は医師がお答えするもので、検査科の職員が検査結果を答えることはできません。また、検査の追加や削除などの依頼も、医師を通して行われます。

01
  • 各科外来
  • 病棟受付
02
  • 診察
03
  • 検査
  • (採血・採尿・心電図等の生理検査)
04
  • 診察
  • (検査結果)

検査一覧

生化学・免疫血清検査
生化学・免疫血清検査
  • 生化学検査とは、おもに血液中に含まれる化学的な物質を測定することで健康状態を把握する検査です。代表的な検査では、糖尿病の指標として血糖(グルコース)やヘモグロビンA1c、肝機能の指標としてAST(GOT)やALT(GPT)、腎機能としてクレアチニンやBUNなどがあります。短時間で数多くの検体を測定するため、検査のほとんどを自動分析装置で行っております。採血から結果報告まで1時間程度です。
  • 免疫血清学検査は、おもに血中に含まれるウイルスや体内で微量に産生される物質を測定することで健康状態を把握する検査です。抗原抗体反応といった免疫学的な手法を用いて測定します。代表的な検査では、感染症(ウイルス性肝炎)の指標としてHBs抗原(B型肝炎)やHCV抗体(C型肝炎)、腫瘍関連の指標(腫瘍マーカー)としてCEAやPSA、甲状腺関連としてTSHやF-T4などがあります。採血から結果報告まで1~1.5時間を要します。また、インフルエンザのような鼻の奥の粘膜を綿棒で拭った検体も免疫血清学検査に含まれており、それらは簡易キットを用いて検査します。
血液検査
血液検査

血液検査は、血液中に赤血球・白血球・血小板の数がどれくらいあるか調べる血算と、血液細胞の形態を観察する血液像検査を行っています。血液検査は、貧血、白血病、出血傾向など血液疾患の病態解明、診断、治療、治療効果判定にかかせない検査です。また、血液を生成する主要な臓器である骨髄を顕微鏡で観察し異常がないか調べます。血液検査は血液疾患だけでなく、感染症、悪性腫瘍、肝疾患、腎疾患、膠原病などあらゆる全身性疾患のスクリーニングとしても重要です。
他にも凝固・線溶検査も行っています。凝固とは血液が固まることをいいますが、その過程で異常がないかなどを調べています。また薬(ワーファリンやヘパリン)の効果判定でも行っています。

輸血検査

血液成分の一部(赤血球、血小板、凝固因子など)が不足した場合や、機能が低下した場合に生じる症状を改善する目的で輸血が行われます。
輸血検査では患者様に安心して、迅速に輸血を受けていただけるよう、輸血前検査(血液型検査・不規則抗体検査・交差試験)が全自動輸血機器を用いて24時間体制で行われています。また善意で献血された血液製剤を適正に使用するよう努めるとともに、患者自身の血液を貯蔵して輸血する自己血採血の保管管理も行っています。
さらに、難治性腹水症の治療の1つである腹水濾過濃縮再静注法(CART法)を安全に施行できるよう、輸血システムを活用しています。

一般検査
一般検査

一般検査は、おもに尿検体と糞便検体を扱った検査を行っています。尿検体を用いた尿定性検査は、尿中に蛋白や血液、糖が出ていないかを調べています。また尿沈査検査は尿を顕微鏡で観察し、赤血球や白血球、細菌、悪性の細胞が出ていないか調べています。さらに腎・尿路系の病変に対する治療効果や薬剤の副作用の判定についての情報収集として用いられています。
糞便検査は、寄生虫検査と便潜血検査を行っており、寄生虫検査は虫卵の検出や原虫の検出を行っています。便潜血検査は下部消化管からの出血の有無を調べています。下部消化管からの出血は大腸がんや大腸ポリープ、感染症などがありますが、特に近年、食事の欧米化により増加している大腸がんは初期症状が出血のため、便潜血検査は早期発見のスクリーニング検査として使用しています。
ほかにも、髄液検査、妊娠反応、肺炎球菌抗原、胸水・腹水、精液検査と幅広い業務を行っています。

細菌検査
細菌検査

細菌検査は、感染症が疑われる患者さんから採取された検体(喀痰、尿、血液など)を検査し、感染症の原因となる菌を調べるのがおもな役割です。顕微鏡検査や培養同定検査で感染症の原因菌の推定や同定を行い、薬剤感受性検査でその菌に効果がある抗菌薬を調べています。早期の診断・治療につなげるため、結核菌や新型コロナウイルスなどの病原体遺伝子検査も実施しています。
また、ICT(Infection control team:院内感染対策チーム)としても活動し、各病棟から検出された菌の動向を毎週集計し、院内感染対策に有用な情報を週報として報告しています。AST(Antimicrobial stewardship team:抗菌薬適正使用支援チーム)にも参画し、他職種スタッフとカンファレンスを行い細菌検査結果について説明しています。DS(Diagnosis stewardship:診断支援)にも積極的に取り組んでおり、他職種スタッフと連携し、適切な検体を用いて検査を実施するよう努めています。

病理・細胞診検査
病理・細胞診検査

病理検査は、組織や細胞を採取して、顕微鏡にて病変を調べる検査です。業務は大きく病理組織検査、細胞診検査、病理解剖の3つに分かれます。身体全体が対象となり、組織診断に関しては、共同作業にあたる病理科の病理医が診断を行い、いわゆる疾患の最終診断となります。病理検査の近年の動向としては、遺伝子検査が普及し、病気の診断だけでなく治療の分野まで関与してきております。細胞診は各診療科からの要望に応え、ベットサイド細胞診を実施しており、診療の最前線で検体採取などに貢献しています。病理解剖では病因の解明など診療科への支持を行っています。当院は地域がん拠点病院でもあり、病理検査科は質の高い診療の根幹を支えております。

生理検査
生理検査

生理検査とは、それぞれの装置を用いて患者様の身体を直接調べる検査です。生体情報をもとに、病気の診断に役立てます。当院で行っているおもな生理検査を下記に示します。

  • 心電図検査:心臓が出す微弱な電気信号を体表から記録し、不整脈や虚血などを調べます
  • 運動負荷試験:階段昇降やランニングマシンなどを用いて不整脈や虚血性心疾患の有無などを調べます。
  • 呼吸機能検査:息を吸ったり吐いたりして、肺活量などを測定し、呼吸器疾患の診断や重症度を評価します。
  • 神経・筋電図検査:電気刺激を行うことにより、神経障害などを調べます。
  • 脳波検査:頭皮上の微弱な電気信号を記録し、脳の電気的な異常を調べます。
  • 血圧脈波検査:手足の血圧を同時に測定し、血管の硬さや血管のつまり具合を調べます。
  • 超音波検査:超音波を使って体内の臓器などを非侵襲的に画像化し、腫瘍を発見したり、心臓の動きや血管の状態などをリアルタイムで観察したりすることができます。
眼科・耳鼻科の検査
  • 眼科検査科の検査では、診察の前に検査を行っています。検査内容は、視力・眼圧・視野・眼球運動・術前の検査等です。当院の眼科には、眼形成(眼瞼・眼窩・涙道)をはじめ、白内障、緑内障、糖尿病網膜症など多くの患者様が紹介されてきます。常に迅速で正確な検査結果が出せるように心がけています。
  • 耳鼻科の検査には、音の聞こえるレベルを調べる標準純音聴力検査、中耳炎(滲出性、真珠腫性、慢性など)の際に鼓膜の動きを調べるティンパノメトリー、めまいを調べる頭位変換眼振検査、顔面神経麻痺を調べる耳小骨筋反射検査、電気味覚検査などがあります。

実績

検体検査件数の年次推移

項目 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度
生化学 60,870 68,418 64,793 57,522 66,887
免疫血清 52,672 54,820 54,789 41,933 44,232
血液 40,801 54,820 45,241 39,540 42,336
一般検査 13,297 15,416 14,994 11,489 14,316
採血 46,337 46,117 45,384 33,086 32,673

一般細菌検査件数の年次推移

2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度
血液 12,198 12,768 12,489 10,424 8,990
尿 2,691 2,865 2,757 2,392 2,147
喀痰 3,041 2,757 3,016 1,830 1,333
423 598 578 511 503
鼻汁 381 388 381 347 359
膣分泌物 311 350 331 284 331
便 470 508 405 406 328
髄液 330 351 317 247 194
口腔 214 175 183 202 192
耳漏 164 160 180 158 187
胃液 99 103 119 104 127
気管内分泌物 39 57 137 73 113
胸水 239 177 175 155 112
CVカテ先 79 78 87 82 81
腹水 177 161 124 97 77
胆汁 110 113 111 82 58
関節液 91 102 48 65 56
気管支洗浄液 91 116 87 70 55
組織 38 43 28 58 46
浸出液 17 52 53 47 41
皮膚 67 38 59 77 37
咽頭 29 42 32 19 23
褥瘡 26 42 42 41 20
ドレーンカテ先 19 8 12 12 17
気管内チューブ 32 53 20 17 9
その他カテ先 24 8 14 10 9
その他 1,952 1,819 1,949 1,853 1,673

新型コロナウイルス検査件数の推移

年月 年月 LAMP ELITe InGenius GeneXpert Smart Gene 外部委託 抗原定性 抗原定量
2020年4月 4月 1 75
2020年5月 5月 2 87
2020年6月 6月 1 139 5
2020年7月 7月 2 346 57
2020年8月 8月 33 11 654 630
2020年9月 9月 199 2 12 1,011 444
2020年10月 10月 132 440 7 70 472 211
2020年11月 11月 119 498 26 162 351 141
2020年12月 12月 69 452 11 195 252 13 60
2021年1月 1月 80 447 25 251 345 24
2021年2月 2月 141 484 37 168 271 8
2021年3月 3月 992 1,123 4 215 1,177 166
2021年4月 4月 96 400 4 505 289 141
2021年5月 5月 198 266 19 528 401 102
2021年6月 6月 445 230 60 464 229 57
2021年7月 7月 176 143 115 584 244 46
2021年8月 8月 281 295 97 557 222 94
2021年9月 9月 219 248 90 526 189 61
2021年10月 10月 29 11 133 551 296 53
2021年11月 11月 14 125 576 322 37
2021年12月 12月 46 146 537 263 40
2022年1月 1月 549 179 372 611 138 776
2022年2月 2月 30 230 489 171 611
2022年3月 3月 105 3 278 545 222 828
2022年4月 4月 764 117 156 622 210 1,265
2022年5月 5月 727 60 120 671 233 1,819
2022年6月 6月 464 22 247 631 193 1,785
2022年7月 7月 541 51 278 557 136 2,689
総計 3,226 446 1,952 5,239 1,886 9,850

病理検査件数の年次推移

項目 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度
病理 4,859 4,827 4,998 4,283 3,518
細胞診 7,995 7,588 7,308 5,609 5,305
解剖 13 7 10 3 4

生理検査件数の年次推移

項目 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度
筋電図・神経伝導速度 227 248 248 234 366
脳波検査 241 254 226 192 324
呼吸機能検査 2,021 2,088 2,079 519 206
心電図 8,559 9,145 8,985 7,452 7,592
負荷心電図 199 165 153 75 64
脈波検査(ABI) 594 716 803 521 456
心臓エコー 5,011 5,213 5,050 4,446 4,261
経食道心エコー 116 140 107 101 68
腹部エコー 8,692 9,253 7,997 6,233 6,103
体表エコー 1,404 1,663 1,546 1,235 1,092
血管エコー 833 827 915 830 893
乳腺エコー 1,248 1,195 1,297 1,033 1,089
甲状腺エコー 536 532 562 480 549
その他 268 268 255 160 100

輸血検査件数の年次推移

血液型 不規則スクリーニング 自己血 CART法
2017年 5,659 1,353 118 70
2018年 5,800 1,537 99 44
2019年 6,270 1,605 91 35
2020年 5,527 1,417 71 36
2021年 4,966 1,250 68 44

輸血製剤件数の年次推移

RBC FFP PC
2017年度 3,762 883 5,372
2018年度 3,598 514 6,335
2019年度 3,522 817 6,170
2020年度 3,462 930 7,215
2021年度 3,420 770 6,770